1 後脛骨筋腱炎の発症機序
足首の内側(内くるぶし)の少し後ろが痛くなるスポーツ障害が後脛骨筋腱炎という状態。特にオーバープロネーションといった過度の足関節回内があり、繰り返される荷重がこの腱を痛めます。腱と言う組織は頑丈なロープのようなもの。このロープが徐々にほつれてしまう状態がこの病状と言えます。一度痛み出すと治り難く、バランスが悪くなると他の部位にまで影響を及ぼす厄介な病状です。
2 対処方法
簡単に言ってしまうと運動をストップすれば自己修復能力が働き治ります。でもスポーツ愛好家は休む事を嫌いますので、運動を継続しながら治す方法を考えなければなりません。実際私は後脛骨筋腱炎を発症した時、運動量は多少減らすも、様々な方法を試しました。
2−1 フォームを見直す
最初にすべき事は自分の癖を見出す事です。痛くなった原因は何か?もし走っていて痛くなったのであればそれは原因がはっきり判ります。走るのが原因であれば、重力のかかり方、姿勢、靴の状態、アンバランスな接地などをチェックする事が重要。時には客観的観察も必要です。
2−2 ストレッチをする
中々効果的だったのがストレッチ。方法はググって頂ければいくらでも書いてあります。走っている最中、足に痛みが出現し、ストレッチを行うと楽になる。ただこれを繰り返しているだけでは再び無理が生じて傷口が広がるだけです。
2−3 筋力トレーニングをする
後脛骨筋にターゲットを絞って筋力トレーニングをする方法もあります。ゴムを利用して抵抗をかけて足首の内返しを行う方法など様々あります。
3タオルギャザー
私がずっと続けているのはこのタオルギャザー。 ギャザーとは集めるという意味なので足の指を使ってタオルを手繰り寄せます。地味な運動ですが、足裏のアーチ保持や足裏の感覚機能改善効果が得られます。地面からの反力と荷重を効率良く分散させる機能を高めておけば足のみならず体全体への負担を減らす事が可能になります。裸足ランをするようになって膝の痛みや体の痛みが減少したという話を聞きますが、タオルギャザーと同様の効果も考えられます。これの良いポイントは高齢者でも出来るという事。
踵は地面につけて足趾をしっかり広げます。写真では少し抵抗をかけるために500mlのペットボトルを乗せています
広げた足趾でタオルをつかみ手前に寄せ集める
地味ですが集中してやってみると最初は足の裏が疲れます。効果はすぐに出ませんが、普段のトレーニングに取り入れ、続けてやってみると徐々に痛みにくい足が出来上がってくるでしょう。
上記のようなトレーニングは細かな注意点なども踏まえてやるべきで、必要に応じて客観的な目線からご指導させていただいております。