五十肩を鍼灸治療-関節可動域を拡大させ自然治癒力を引き出す

1 五十肩になったら

五十肩(肩関節周囲炎)は疼痛、肩関節可動域制限を主体とした症状が現れ、時として治り難く患者さんにとって非常に苦痛を与えるものです。病因としては諸説ございますが、多くの場合は原因不明であり、きっかけが分からない事が多いですが、その背景には老化による肩関節周辺の筋力低下や腱などの組織が弱っている事が絡んでいるようです。肩関節周辺の組織に石灰がたまる事もあり、時には痛みの度合いなどを見ながら治療方法を判断しなければなりません。スポーツ選手などに見られる投球肩などは原因がはっきりしているので初段階であれば酷使する量を減らせば重症化しない事が殆どです。早い段階で相談される事が良いでしょう。

2 当院の治療方針

鎮痛が主な治療方針となり、積極的な運動療法を取り入れていきます。痛みがあると上手く肩関節を動かせないので鎮痛の得意な鍼灸治療を施してなるべく関節可動域を増加させた状態で運動療法を加えるようにしています。運動療法は①他動運動(私が関節を徒手的に動かす)②自動運動(患者さん本人が関節を動かす)により治癒を促していきます。

3 鍼灸による関節可動域の回復

上が治療前。下が治療後です。肩甲骨の動きがスムーズになる分、関節の可動域が良くなります。ほとんどの方がこのような反応を示しますが、肩関節の可動域を回復させるだけでは不十分。生活の中で元に戻ってしまうので運動療法を加えていくことが大切です。

4 治療頻度

この方の場合2週間に1回の治療のみ。症状の度合いによるのですが、治療回数をむやみに増やすと治療にばかり頼ってしまいます。当院では症状に波を作り、自然治癒力を最大限に引き出す事をめざしていますので少ない回数でアプローチします。そして治療費も少なくて済みますよね^^